美雨の部屋へようこそ

世界の旅日記や 文化、歴史のぷち・エッセイを書いています。他にも海外、国内のお気に入りのドラマのあらすじ&感想を勝手気ままに綴っています。

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王国の崩壊 ~モタミッドの凋落~

モタミッドの凋落  ~もうひとつのイスラム世界史4~

中世のイベリア半島に花開いたイスラム人たちの文化、繁栄を誇った「後ウマイヤ朝」のあとを引き継いだタイファ諸国のひとつ、セビーリャ王国(アッバード朝)の君主として、最後の光輝を放った中世アンダルシアの詩人王、モタミッドの生涯をシリーズでお届けしていますが、今日は第四回目、モタミッド王の栄光と挫折を綴っていきます。

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幾何学文様の発達したイスラム美術の結晶、ペルシャじゅうたん
幾何学文様の発達したイスラム美術の結晶、つづら織りタペストリー



モタミッド王が生まれて初めて愛し、また生涯愛し続けた王妃、イティマッド。
さきのシリーズで記してきましたが、彼女は奴隷娘の身分から 王に詩の才能を見出され、一躍王妃に抜擢された中世アンダルシアのシンデレラガールでした。
 イティマッドは、モタミッドの生涯における唯一の妻でありましたが、、その間に数人の子供を授りました。
コーランではハレムを持つことが許されているにも関わらず、王は、イティマッド以外の女を娶ろうとはしませんでした。その中で、ラシッドとサイダという名前の2人の子供は知られています。(他に少なくてももう一人の娘がいたらしい)
ムルシアを征服して領土を拡張した後、モタミッド王はスペインにおけるイスラム王の中で最も強大な王となっていました。

モタミッドの治世当時、イベリア半島において、コルドバは カリフ王国の名が失墜してもなお 未だに後ウマイヤ王朝を引き継ぐ精神的な首都でしたが、ムルシア征服後モタミッド王は信徒たちの上に君臨する「カリフ」の称号を望み、スペイン全土のイスラム教徒たちの精神的な首長になろうと決心をしました。
 そして、コルドバから優秀な博士、聖典注解者、コーラン法学者らをセビーリャに招いたり、神学と哲学を教える学校を創設して、敬虔な信仰の中に、文学や科学を調和させようとしました。セビーリャの名声は轟き、エジプトとオリエントからも人々がやってきました。この平和を享受した時代は、文化、産業、農業、商業などのあらゆる分野において繁栄しました。
まさにイスラム時代のセビーリャの「黄金時代」と言えましょう。



繁栄を極めたセビーリャ
いまも昔もカラフルなセビーリャの街
いまも昔もカラフルなセビーリャの街



さて、悪評高きカスティーリアのアルフォンソ6世は、傑出したセビーリャの王モタミッドが、従来の貢納者から自分の競争相手に変わっていくことを畏れて、モタミッド王の娘サイダとの結婚を求めてきました。
アルフォンソはトレドのモーロ王(イスラム人の王)を攻撃するために、モタミッドの援軍を必要としたのです。王は権能ある大臣アベン・アマール(生存時)を、アルフォンソと会見するためにアビラに派遣しました。
冗漫な交渉が続きましたが、難攻不落で有名だったエスカローナの城を攻略したモタミッドを前に、カスティリア王アルフォンソは弱者で居ることは我慢ならず自らの威厳を誇示するのに汲々としていました。

結果、力の均衡を保持するために、王の娘のサイダをアルフォンソ6世の妻として娶り、両者の間に協定が締結されるに至りました。アルフォンソ王はさきの妻コンスタンツァ妃に先立たれていたのです。さらに、北から進軍するアルフォンソ軍と呼応して、デビーリャのモタミッド軍はトレド領の南から攻撃することを約しました。
 モタミッドの美しい王女サイダは、多くの家臣たちと共にブルゴスへと向いました。サイダはキリスト教の洗礼を受けてイサベルという名前になりました。その時代の文書には正式な王妃として記録されています。
モタミッドは娘の結納金に加えて、征服したばかりのウエテ、オカーニャ、モラ、アラルコスなどの領地を、惜しげもなくアルフォンソ王に贈りました。



嫁ぐ王女
美しい王女サイダ



しかしながら、カステーリァ、セビーリャ両国が友好関係を保った時期は僅かでした。
既にトレドの領地はアルフォンソが治め、モタミッド王の支援と結縁により 他のいかなるスペイン王も並ぶ者のない広大な国土の支配者となったことで傲慢になっていました。
次第にアルフォンソはモタミッドを同盟者としてではなく、臣下として扱い始めたのです。
古い習慣に則って、モタミッドはカステーリャに貢ぎ物を納め続けていましたが、正確に言えば、エル・シッドの遠征に対する返礼という意味もありました。

しかし、ある年、貢納の期限が1年遅れると、アルフォンソ6世は好機とばかりに攻勢に出ました。正式な大使を派遣するでもなく、いきなりユダヤ人の売上税徴税吏を差し向けて、セビーリャの住人に対して直接の貢納を要求しはじめたのです。
モタミッドは、「国庫には資金が残っておらず、トレドを攻撃するための戦費と娘を嫁がせる費用は嵩んだものの、その割にはカスティーリアから全く見返りがなかった」として、貢納の遅延を正当化し 訴えました。だがしかし、ユダヤ人はそれらの理由を無視して、強制的に取り立てを続けたので、怒りに燃えたセビーリャの住民たちは、徴税のユダヤ人を剣で殺してしまったのです。



伝説
取り立てるユダヤ徴税吏



事の次第を知ったアルフォンソは、モタミッドに手紙を送りましたが、その冒頭にはこう綴られていました。
「二つの法により、二つの国を治める帝王かつ支配者、卓越した権能を備えたドン・アルフォンソより」 
さらに、その末尾には脅迫の意図さえ含まれていました。
「スペインの頭脳とも言うべきトレドにおける出来事と、貴下の領地で生じた紛争については、充分に承知しておられるであろう。我が意思ゆえに現在まで避けられてきた事態であるが、すでに限界に達した」

アルフォンソ王の手紙は、両国の決裂を意味していました。
モタミッド王はセビーリャにすべての地方長官や知事を呼び集め、近隣のタイファ諸王を結集して会議を開きました。情勢を鑑みると、カスティリア軍の侵入は必須である ― さらにモタミッドは「カスティリアは単独ではやって来ない。アラゴン、ナバラ、そしてフランスとも同盟を組んで攻めてくるだろう。アンダルシアのイスラム教徒たち―この脅威に直面した我らは、モロッコのモーロ人たちの援軍を要請しなければならない。 」と継ぎ足しました。

すると、モタミッドの息子ラシッドは
「父上、この同盟はあまりにも危険に思われます。もしモロッコ王がスペインの地に足掛かりをつけたならば、自分自身のための王座を据えて居残ることになるでしょう。そして、我らは彼のために居場所を失うでしょう」 と進言。

モタミッドは答えます。
「息子よ・・・キリスト教徒の臣下となるよりも、王であり続けよう。モロッコの駱駝引きとなって生涯を終えたとて、悔いはあるまい」

このモタミッド王の言葉は、アンダルシアの諸王「ワリ」たちの会議によって支持されます。
そしてモタミッドは、モロッコのユセフ王に手紙を遣わして、イスラム諸国を援護するためにスペインに軍を差し向ける要請を伝えました。


滅びゆく王国



ついに、モロッコのユセフ王が2人の将軍を従えてやってきました。各10万の騎兵と、さらに20万の歩兵を率いて。ポエニ戦争以来、スペインの地においてこれほどの軍勢を見たことはなく、これらの軍団の一つは、アルガルベに上陸してレオンへと向かいました。別の部隊がトレドを攻撃している間に、マドリッドとクエンカを占領してしまいました。

勢いに乗ったユセフ王はスペイン半分の支配者となるかに見えましたが、モロッコの拠点からあまりにも離れてしまう危険を悟ったゆえに、それ以上は進軍を望みませんでした。
そして まだ同盟の仮面は外さずに、独立諸王国(タイファ諸王国)を併呑した上で、コルドバのカリフ領を自分が復興させるのだという野心を示しだしました。
軍事権を掌握したユセフ王は、ついにコルドバの精鋭軍をセビーリャに差し向けることを命じました。王子の懸念した通りの事態に陥ったセビーリャは、ついに危機を迎えます。数日間、モタミッド王は勇敢に抵抗しましたが、結局セビーリャの兵士たちは全滅し、モタミッドは幽閉されてしまいます。

アラブ人の歴史家アベン・ラバナは、モタミッドの治世の終焉と引裂かれるような悲哀をリアルに記述しています。

「勇敢な抵抗の後に、戦い破れたモタミッドと家族は、グアダルキビール川に停泊していた一隻の船に向かって追い立てられた。川の畔には群衆がひしめき合っていた。女たちはベールを取り、悲嘆のあまりに顔をかきむしっていた。いよいよ別れの時が来た。
何という叫び! 何という涙...! もはや何が残されているのか...? ああ、異邦人として、この地から旅立つのだ。お前の荷物をまとめて、旅立ちの準備をするがよい。豪奢な宮殿はもはや廃墟と化してしまった。お前がこの都市に築いたもの、家族のために求めたものは、すべて儚く消えてしまった。我らの収穫は旱魃で台無しになった。お前の駿馬は、お前の武具はもう何の役にも立たない。アフリカのライオンは、お前を貪り食うために、口を開けて待っているではないか」


愛するセビーリャを離れて
愛するセビーリャを離れて



モタミッド王は鎖に繋がれた姿でセビーリャを出航ししました。
タンジェの牢獄で死ぬために・・・。 
サン・ファン・デ・アスナルファラーチェの川のカーブを過ぎる時に、王は悲しげな眼差しで、最後にセビーリャを見つめました。それが甘い思い出への最後の別れでした。
セビーリャはあたかも「花咲く平原の真只中に開いたバラのようであった」のに、それは無残に引き抜かれ、慰めようのない涙がしとど落つるのみ・・・

同胞であるはずのモタミッド王を見事に裏切ったユセフ王は、セビーリャへの権利侵害の隠蔽を図りました。イスラム法官たちに モタミッドがコーラン法を破ったと告発して得た勅裁によって、モタミッドの退位と追放は正当化されてしまいます。さらに勅裁は、モタミッドの財産をすべて没収して、牢獄に幽閉するためにも利用されました。

タンジェ到着すると、辛辣で厚顔無恥な道化詩人アル・ホスリが囚われの王の傍に近づいてきて、かつて王に幾度となく詩を捧げたことを思い出させました。
そして「まだ過去の栄光の名残りを留めておいでならば、何がしかの褒美を戴きたいものだ」と侮蔑の言葉を贈り、嘲笑しました。
モタミッドはこの無礼者を見つめると、苦心しながら片方の靴の中から金貨を取り出しました。それは36ドゥカードスもの価値がありました。
そして、このように言いながら立ち去りました。

「さあ、これを取れ!モタミッドは決して褒美を与えずして、詩人の前から去るような無礼はしないと、のちのちに伝えるがよい」




哀しみを湛えるセビーリャの水盤
Patio5.jpg



次回(第五回:最終回)は、高潔なるモタミッドの死と妃イティマッドの行く末、
そして彼が遺したアラビア語の珠玉の詩について綴る予定です。

美雨


~もう一つのイスラム世界史❤美雨編~

その1 アンダルシアの詩人王モタミッド 
http://yonipo.blog13.fc2.com/blog-entry-808.html
その2 南国に雪を降らせた王の愛  
http://yonipo.blog13.fc2.com/blog-entry-809.html
その3 旧友アベンアマールの死と エル・シドの友情 
http://yonipo.blog13.fc2.com/blog-entry-826.html


参考文献
余部福三 『アラブとしてのスペイン』
佐藤次高、鈴木薫・編『新書イスラームの世界史1 都市の文明イスラーム』
島崎晋『目からウロコの世界史』
ホセ・デ・メナ『セビージャの歴史的人物』
『Motamid por blas infante』
motamid último rey de sevilla
Mutamid, King of Seville, 1039-1095


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20120618

Comment

sunnylakeさま 

留守中もコメントや応援をいただいたようで、本当にありがとうございます。
無事戻って参りました。
そして、モタミッド王の夢のあとをこの目で見てまいりました。
セビーリャのアルカサル(王城)には、そこここにモタミッドの愛と理想があふれ、
極楽世界を地上に映したかのようなイスラム建築と造形美の粋を目に焼き付けてまいりました。


けれど、sunnylakeさん仰るように、傲慢で悪賢い者によって、彼の理想と夢も、一夜にして灰塵に帰し、すべてを奪われてしまうのですね・・・
近く、最終章を記事にしたく存じます。^^
拙いばかりの記事なのに、いつも、このシリーズを深く読み込んでで下さり、sunnylakeさん光栄です。
  • posted by MIUMIU 美雨 
  • URL 
  • 2012.08/06 02:29分 
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mzyuu さま 

亀レスご容赦くださいm(__)m
いつも素敵なコメントいただきながら、mzyuu さん申し訳ないですね。
こうしてmzyuu さんに見守っていていただいてたので、安心して旅ができたのですね。感謝です。

> 何故か・・・モタミッド王とムヒュル王に同じ香りが・・・・

やはり、mzyuu さんもそうですか?実は私もなのです。
とっても高潔な、おひげの王様です。そして、一度愛したら永遠に、のイティマッド・ラブな純愛王。
イメージでいえば、ムヒュルが一番近いでしょうか。^^
”痛みを知らぬものは王にはなれない”というシチュエーションもよく似ていますね。
でも、決定的に違うのは、ムヒュルは平民時代(それも、かなろりかなり鬱屈した青年時代)があったので、したたかさや計算高さがありましたが、モタミッドは紳士で高潔すぎてしまい、いまひとつ狡猾になれないところが、結局亡国の一途をたどる要因のひとつになったのでは、と分析してしまいます。
文学的にすぐれ、聖人君主のような文人宮廷は、いつ隙をつかれるか、という脆い一面を持っていますよね。

> 暫くイル様断ちをしていたので

そんな寂しいことを仰らず、どうかまた再燃してくださいませませ♪
早くに人生画報がTVに追いつくと良いですね。KBS版の画報(というか、こっちがれっきとしたオリジナルなんですが。笑)と、DVD版の比較もおもしろいですよ。(●^o^●)それぞれみなさんツッコミどころを持っていると思いますが、美雨はこんなツッコミを入れてみました。(アフォアフォっぽですが、良かったらご覧ください。^^)http://yonipo.blog13.fc2.com/blog-category-75.html(うぐいす色の題名をクリックするとどのページも読めます)

って、ここモタミッド王の頁でしたね。(爆)
  • posted by MIUMIU 美雨 
  • URL 
  • 2012.08/06 02:21分 
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NoTitle 

教養に恵まれたモタミッド王が、こんなにも悲劇の結末を迎えるなんて、なんだかとても残念でした。
傲慢で悪賢い者が結局は勝利を収めるというのが、人間だということなのでしょうか。
もしかしたら、歴史はそういうことの繰り返しだったのかなと思いました。
  • posted by sunnylake 
  • URL 
  • 2012.07/31 22:04分 
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アンダルシアに想いを馳せ・・・・ 

v-22いかがお過ごしでしょうか?
素敵な時間を過ごされている事と思います。

こうして見ると 本当に 美雨さんはロマンリストでいらっしゃいますね。
そして 一途な恋をこよなく愛されているのですね。
(違っていたらごめんなさい)
お国が違えど・・・

何故か・・・モタミッド王とムヒュル王に同じ香りが・・・・

暫くイル様断ちをしていたので
なんだか お会いしたくなって参りました。
今日は久しぶりにビデオを見たいと思います。
(体調も戻ったので)

また 素敵な頁を楽しみにしていますv-238
  • posted by mzyuu 
  • URL 
  • 2012.07/31 18:38分 
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ぴおーね親父様 

リアル生活で、多忙がつづきましてブログできませんでした。
亀レスお許し下さいねm(__)mぴおーねさんお元気そうでなによりです。

モタミッド王の物語、気に入って下さり嬉しいです。^^
セビーリャを追われるモタミッドのさまは、アルハンブラものがたりの最後の王、無念の涙とともに宮殿の鍵を譲り渡したボアブディル王の最後をも思い出させますね。
けれど決定的に違うのは、異教徒にでなく同朋によって裏切られ、全てを奪われてしまったという悲劇です。それでもモタミッド王は白人の異教徒たちによって滅ぼされるよりはしあわせだったでしょうか。
イティマッドが妃となり王と過ごせた時間は20年そこそこだと思いますが、愛を凝縮して二人の紡いだ愛の詩を読んでみたくなりますね。イベリアに真っ赤に燃え薔薇の如く気高く散った愛の軌跡を、詩のなかに偲んでみたいです。
次回は詩をご紹介します。^^
  • posted by MIUMIU 美雨 
  • URL 
  • 2012.06/22 23:49分 
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三代目さま 

三代目さま、こんばんは!
リアルライフでメチャ慌ただしくしておりまして、こんな素晴らしいコメントをいただきながら、返信が遅れましたこと深くお詫び申し上げます。m(__)m土下座×100回
やっと、ネットをゆっくりできる環境に戻れました。

>
> 自分なりのそういう美意識をもっていた人物は、歴史の仲で敗者の烙印を押されたとしても後世に名を残すものですね☆

三代目さま仰るとおり、歴史とは常に勝者の手によって編纂されていくものですから、敗者たちの歴史は歴史の闇に葬り去られてゆくのが常ですが、こうして彼の高潔な精神と珠玉の詩、ロマンスは異教徒のキリスト教徒によっても語り継がれていることは、極めて稀なることだと思います。^^

歴史的に民族・宗教戦争に馴染みの薄い、我々日本人の頭の中では、「同じイスラム教徒なのに、なぜ戦うのか?」という疑問が湧いてしまいがちですが、逆に、根を共にする同士の方が一層覇権争いが激しくなるという例は、しばしばありますね。

モロッコ人と一口に言っても、大きくアラブ人とベルベル人に分かれて、その中にまた多数の部族が存在するようです。民族が細分化されて、さらに強い血縁関係で結ばれているこの「部族」という単位が、イスラム圏の歴史をより複雑なものにしているようです。
イベリアのイスラム王朝史をひもとくと、内紛とお家騒動が契機となって分裂して、弱体化したところ狙って攻め込んできたキリスト教徒に一気にやられるというパターンも見られます。

それでも、「分裂融合を繰り返しながら生き抜いて来たイスラムの叡智と生命力」の凄さについては感嘆するばかりです。
スペインのキリスト教徒と北アフリカの強硬派イスラム教徒との狭間で、見事にバランス感覚を保ちながら、711年の侵入からグラナダ陥落の1492年まで、約780年間の長きに渡ってイベリア半島にとどまったこと、まさに歴史の奇跡と言えますね。


次回(出来れば近いうちに)訳をまとめて最終章を綴りたいと思います。どうぞ楽しみにしていてくださいね。^^
  • posted by MIUMIU 美雨 
  • URL 
  • 2012.06/22 23:41分 
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NoTitle 

すばらしい 歴史のお話。
ただただ 感心して読みました。
また 次回楽しみにしています。
  • posted by ピオーネ親父 
  • URL 
  • 2012.06/19 18:24分 
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感動☆ 

きれいな庭園を備えた歴史ある図書館で、ゆったりとした時間を過ごしたようなそんな気持ちにさせて頂きました☆

良かれ悪しかれ歴史上の王、政治家、武将たちは自らの人生を「詩」として完結したいという願望を持っていたのでしょうか。^^

自分なりのそういう美意識をもっていた人物は、歴史の仲で敗者の烙印を押されたとしても後世に名を残すものですね☆

そして私たちはその意識をもった歴史上の人物たちに惜しみない喝采をおくってしまうものなのですね☆

たとえその美意識に殉じた王たちの思惑、プライド、一挙手一投足、その全てに無名の兵士や無辜の民衆の悲喜こもごも、声にならない声が隠れているとしても。 (←こういうことは歴史の発展段階での必然的なことなので、現在のモラルや何かの史観でバッサリやるのは好きではありません。ですから王たちを非難したわけではないのです。かっこつけて書いただけです^^;;)

素敵なお話をありがとうございました。美雨さんという図書館、語り部のおかげで、素晴らしい時間旅行を楽しめました☆

またこの図書館にお邪魔させてくださいね♪

ピー助さま 

わお、ベガスから帰って間もないのに、今度はヨーロッパ行かれるのですね!
円高でおいしそうですね?(笑)
私は夏にスペイン(絶対アンダルシア!)行きたいな~。
沖縄にするかどうしようか迷うところ。
そんなにお値段変わらないので。(ホント)

> セビーリアより、ちょい北に

バルセロナかマドリ?
スペインでなければフランスかな?
またブログにお邪魔しますね^^
  • posted by MIUMIU 美雨 
  • URL 
  • 2012.06/19 01:10分 
  • [Edit]

Re: 続きがたのしみ~^^ 

くろまめさま
今回も素敵なコメントと応援をありがとうございます。くろまめさんのような方に喜んでいただけ、芸術や創作のインスピレーションに少しでも貢献できたら、こんなに嬉しいことはありません。

くろまめさんのお好きな王妃イティマッドとモタミッドの間には、わかっているところで息子2人&娘2人の計4人の子供を授かったそうです。娘は嫁ぎ、息子は父王と共に軍を動かせるほどに成人していますので、およそ20年ぐらいは共に暮らしていたのではないかと推測されます。

ふたりが交わした愛のポエム・・・ 読んでみたいですね。しかし、原語はアラビア語なので、これは完全にお手上げです。かろうじて、王が残した詩の一部がスペイン語に訳されていますが、残念ながら、イティマッドの詩は手元にある書物の中には見つかりません。きっといつか、アラビア語に堪能で詩心ある文学者の手で、世に紹介される時が来ることでしょう。^^

とりあえず、次回(最終回で)遺された詩の一部・・・その珠玉の詩の何編かをご紹介しますので、どうぞ楽しみにしていてくださいね。(^_-)-☆
  • posted by MIUMIU 美雨 
  • URL 
  • 2012.06/19 01:07分 
  • [Edit]

かえるママさま 

いつも、奥が深く教養あふれるコメントをありがとうございます。m(__)m

モタミッドはカスティーリャにでなく、同じイスラム教徒のモロッコによって滅ぼされたのは、悲劇なのか、不幸中の幸いなのか―同じ滅びの運命を辿るにしても、誰の手にかかって死ぬか、死の尊厳をも重視したモタミッド王は偉大ですね。
キリスト教徒の王に娘を嫁として捧げてもなお異教徒の王からの差別や傲慢不遜な扱いを受けて、モタミッドはじめイベリアのイスラム人たちはよく数世紀に渡って国家を維持したものだと思います。分裂融合を繰り返しながらも生き抜いて来たイスラムの叡智と生命力、それだけでも凄いことだと思います。

アル・ホスリは、王のエピソードとして歴史の表舞台に出すのも勿体ないような小物で、とりあげる価値すらない人物ですが、モスリム(イスラム教徒)の道化詩人としてはその辛辣な風刺描写で名高かったようです。そして、このコインを褒美として受け取ったことが更なる売名行為に(笑)繋がりましたね。
ある意味、モタミッド王の風格と株をあげるのに大きく寄与したわけですから、あっぱれな道化ですね。^^
  • posted by MIUMIU 美雨 
  • URL 
  • 2012.06/19 01:02分 
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NoTitle 

セビーリアより、ちょい北に
明日からまいります。

脚は相変わらず痛いですが、日本にいても一緒ですし^^
  • posted by ピー助 
  • URL 
  • 2012.06/18 16:38分 
  • [Edit]

続きがたのしみ~^^ 

全くジャンルの異なる二つのカテゴリー(「人生画報」と「モタミット王」)の更新を心待ちにしているくろまめです。
イティマッドは、どうなるのかな~?
堅苦しい歴史書を読んでいる感じがゼンゼンなくて、含蓄があって、話の上手な歴史の先生の講義を聞いているみたいv-87

私みたいに更新を心待ちにしている人たちが、きっとたくさんいる思うけど、ぜんぜん急がないので美雨さんのペースでゆっくりとね^^
楽しみはゆっくり長く味わいたいもの^^
  • posted by くろまめ 
  • URL 
  • 2012.06/18 10:51分 
  • [Edit]

NoTitle 

なんとも悲しい事でしょう!モタミッドの悲しい運命.....陰謀、裏切りは、人間の嫉妬や憎悪、エゴ、プライド、欲望によるのでしょうか。
なんだか、色々な書物を読むと、こういう感情は男の方が強い気がしますね。
全てを失ったモタミッド王が、アルホスリに金貨を差し出した事は、忘れられないです。
アルホスリの人間としての品格が問われそうです。
アルホスリは、彼なりに、モタミッド王に対して強い嫉妬を長きに渡って抱いていたのでしょうか。
そんな気がします。
ああ、続きが楽しみです。
こういう書物も美雨さんがいなければ、一生知ることもなかったと思います。
素晴らしい古典の世界に触れる事が出来るのも美雨さんのお陰です。
ありがとうございます。
  • posted by かえるママ21 
  • URL 
  • 2012.06/18 08:30分 
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プロフィール

MIUMIU 美雨

Author:MIUMIU 美雨
旅、歴史、長編ドラマ(短編も)のレビューやエッセイを書いています。
文化系の記事が多いですが、歴史ドラマ(大河ドラマ:八重の桜)や、韓ドラレビューも書きます。中でもソン・イルグクさんの作品が大好きです。
更新はマイペースで続けていきますのでどうぞよろしくお願い致します。

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善徳女王
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