美雨の部屋へようこそ

世界の旅日記や 文化、歴史のぷち・エッセイを書いています。他にも海外、国内のお気に入りのドラマのあらすじ&感想を勝手気ままに綴っています。

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副葬品

副葬品によせて

太陽のスカラベ
スカラベ。王の胸飾り

アヌビス
王の棺を守る、アヌビス(山犬)神


誕生率は定かでないが、人間の死亡率は100パーセント。
この数字は未来永劫変わらない。

オギャアと生まれた時の誕生祝いの品々は大体が定番のものばかり。
反対に死に際して棺に入れるお別れの品のなんと多種豊富なこと。

副葬品―英語でfunerary objects.
文字通り葬る品々。

CA時代にお世話になった先輩のご主人が亡くなりました。
癌だった。享年45歳。寒さと雪で手術の痕がことのほか痛んだが、今日の告別はどうしても外せない。死という厳粛な旅立ちに、私も花を添えよう。

死に際、故人が棺に入れて欲しいと頼んだ品は、愛用してきた眼鏡と家族の記念写真、そして・・・アドレス帳だったそうです。

上画像は写真はツタンカーメンの副葬品で太陽を運ぶスカラベ。聖甲虫もしくは、糞ころがし。糞ころがしが転がしているのを太陽に見立て、天空を通って太陽を運ぶ太陽神の化神と信じられていた。ファラオ(王)は死後の復活を信じていたので、自分の身の回りの調度品とともに墓に入ったのです。カイロ博物館で実際目にしたが、日常品から調度品まで、そのおびただしい数と豪華さたるや・・・。
それでも在位期間短かかった彼の墓と副葬品は歴代の王達に比べ、非常に粗末であるといいます。

死後の世界の復活をひたすら信じ、いわばこの世とあの世の通信機として――人は何を副葬品に選ぶのだろう。

今朝の新聞で新説ツタンカーメン王の死因、という記事ともあいまって、死後の世界と、その道連れである副葬品について思いをめぐらせました。

 思い出すのは、この言葉。

Life is a leaf of paper white,
Whereon each one of us may write
His word or two. And then comes night.

Greately begin. Though you have time
But for a line - be that sublime!
Not failuer, but low aim is crime.

以上は、グスタフ・フォスというドイツ人の神父が書いた言葉です。人生は白い紙で個々人はその上に記録としての言葉を書いていく。価値ある言葉を書くために、高い志を抱いて欲しいというメッセージです。

含蓄の深い言葉です。

人の生き様の記録として最も素晴らしいのは、この世に問う作品のようなものではないかと思います。作曲家なら楽譜、演奏家なら演奏のCD、作家ならその小説、画家なら作品(のコピー)、技術者ならその特許や論文・・・といった、要するにこの人はこのように生きてきたのだという記録ですね。これは、亡くなられた人の所持品ですが、その人を送る人たちへのメッセージでもあります。
技術者であれば、コンピュータが使われなくなっても、そのアーキテクチャや新技術が後の世の中に残るように、人の場合も生きてきた証としての何物かを後に生きる人々のために残すことではないか、と。

そういう人たちは本当に尊ばれるべきであり、もうメッセージを残していて、涅槃への副葬品を既に手に持っているのです。

そう考えたとき、私は何を残せるだろう。
この世的に、とか大勢に影響を与えるようなことは出来ないけれど、せめて自分の関わる全てのコミュニティー、周囲のひとたち、また家族に伝えられる、わたしならではの何かを残したい――

そう願いつつ、亡きひとの副葬品を思い浮かべました。

皆さんはどうですか?

実は私はもう決まっています。自分の棺おけにはラ・ボエームのCDと未だ見ぬ愛娘の爪と髪の毛、この世に在りしときずっと私を護ってくれた高句麗(こま)神社のお守りとラリックの女神像のペンダントを。これらを此岸と彼岸の通信機として、潔く旅立とう。


・・・ああ、潔くと言いながら欲張りなわたし。こんなに入るかしら。
但し、眼鏡やCD等のプラスチック、アルミ部分はダイオキシン問題で禁止されているところもあるらしいので、事前に要チェックですね。(笑)


美雨


ラリックの女神ペンダント
なぜか庭園美術館でしか手に入らないラリックの女神ペンダント。身代わりになってくれたことが。


高句麗 三足烏
王女セリュが、弟ムヒュルとの今生の別れの際、副葬品に添えた三足烏のペンダント。
この高句麗の紋章ペンダント、あればとっても欲しい


エジプト カイロのラクダ使いのおじさんと




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Comment

Re: 副葬品 

ぴー様
温かいねぎらいの言葉をありがとうございます。
享年45歳。 早すぎます。 心が痛みます。

「時」という時間は永遠に過ぎて行きます。
でも人間の生きられる人生はその「時」の中ではほんの一瞬。
何万年と月日はこれからも永遠に過ぎて行きます。
それを考えると人間の一生はほんの一瞬あるポイントを通過する、塵あくたにも満たない小さな小さな存在なのですが、そんな存在でありながら、やはり自分の生きた軌跡をどこかに、誰かに残しておきたいと考える生き物のようです。
棺のなかに副葬品を入れるのも、死ぬことによって永遠の命を得るその人が、自分の生きた証を天の(宇宙なのか、どんな次元かはわかりませんが)もといた場所に持っていきたいと願うしるしなのかもしれませんね。宇宙レベルで言えば、45歳の寿命も80才の寿命も、塵にも満たないほんの一瞬なのですが、人間であればこそ、永遠のなかに一瞬があって、一瞬のなかに永遠があると考えるんですよね。


> 私も昨日ニュースでみましたが美雨さんはカイロ博物館で直接 ツタンカーメンをご覧になっていたのですね。うらやましい=^ェ^=

ツタンカーメン自身というか彼のミイラは、なんと博物館ではなく、発見された王家の谷の自分の墓に眠っているんです。カイロ博物館にあるのは、棺と副葬品ばかりです。ツタンカーメンのブースは博物館の目玉で、一番奥というか、それこそ観光客はぐるぐる回ってやっとたどりつけるような場所にありました。その途中に、エジプトで同じくらい有名人のラムセス2世の遺体というかミイラが見れたりするのですが、ひととして見ると静かに墓で眠れないのは哀れだな、と思います。(;_;)
墓は暴かれたけど、ツタンカーメンはちゃんと元の墓で眠れてしあわせだと思います。
  • posted by 美雨 
  • URL 
  • 2010.02/20 07:58分 
  • [Edit]

副葬品 

美雨さん、おはようございます。

雪のなか、お悔やみ大変でしたね。遠くまでいかれたのですか。

自分の副葬品、、、

考えたこともありませんでした。思いつかなければ子供に託そうと思います。

私も昨日ニュースでみましたが美雨さんはカイロ博物館で直接 ツタンカーメンをご覧になっていたのですね。うらやましい=^ェ^=

高句麗じるしのペンダントは私も欲しいです。
娘はもっと欲しがるでしょう。(^.^)
どこかでつくっていないものでしょうか。
  • posted by ぴー 
  • URL 
  • 2010.02/19 08:26分 
  • [Edit]

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MIUMIU 美雨

Author:MIUMIU 美雨
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