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フェリペ5世妃イサベル ~フロリダ沖に沈んだロイヤルコインの主たち~

フェリペ5世妃イサベル ~フロリダ沖に沈んだロイヤルコインの主たち~


イサベル・デ・ファルネシオ王妃

18世紀初めに成立したスペイン・ブルボン朝の国王フェリペ5世の妃。
祖父のルイ14世が薦めた縁談で結ばれた、イタリアのサヴォア家出身のマリア・ルイサ・ガブリエラ妃が早世したために、後妻としてイタリアのパルマ・ブルボン家から嫁いできた。


若いころもきつそう


この王妃の存在を初めて知ったのは、スペイン旅行で訪れたマドリッドの王宮であった。
正面玄関ホールの上階で目に飛び込んできたイサベル・デ・ファルネシオの白い大理石像。
第一印象は優雅で威厳のある姿、響きの良い名前で、印象としては好感を抱いた。プラド美術館のゴヤの絵画群に程近い、ブルボン家歴代の王族の間に展示されている「フェリペ5世の家族の肖像」の絵画も然りで、夫婦と子供たちが理想的な家族を形成していたことを見る者に印象づけている。

その後、王室に関する書を読み、様々な記述に触れるとにつれて、イメージは逆転した。権力志向が強く、非常にキツイ性格の女性。息子カルロス3世の妻マリア・アマリア妃に対して嫁虐めをした鬼姑。もの凄い強権的なオーラを発している。おそらく絵画や彫刻においては、本人の実像よりも遥かに美化された姿で表現されており、実像との著しいギャップを感じた。


カルロス王



しかし、今回あらためて同時代の国際情勢と併せて王妃の生涯のあらましをひもとくと、再びイメージは大逆転した。後妻として嫁いだ時点での身辺を取り巻く厳しい境遇、不穏な国際情勢、これらを克服して、
成立直後のスペイン・ブルボン家の基盤を築いて安定に導いた功績。精神的に弱かった国王を支えた女傑。そうした部分が見えてきた。単なる王の妻ではない。幼少期から学問を身につけて、どの国に嫁しても完璧な王妃になれる教養深い資質を備えており、歴史、地理、哲学、音楽、絵画、各国の慣習と儀礼、文法修辞法、ラテン語、スペイン語、フランス語、トスカナ語を学んだ。教養豊かで、外交と政治の采配を振るい、実質的な女帝として君臨した偉大な人物に見えてきた。

人間というものは見る角度により、どのエピソードをすくい取って、その性格を判断するかで全く違ってくる。偏った主観を排除して、より客観的な像に近づかねばならない。
折りしも、今年1月にNHKで放映された1715年の沈没船に関する時代背景について興味を持ったので、その生涯のあらましを自分なりに整理するのが楽しみだ。


イサベル・デ・ファルネシオ王妃
晩年のイサベル う~ん、貫禄が・・・



さて、その影薄き夫のフェリペ5世については、歴史的にどうのという功績は残してはいないのだが、ここ最近その存在が大きクローズアップされ始めたのは、ほかでもない、お宝中のお宝、魔のバミューダートライアングルに眠った沈没船のロイヤルコインが呼び水になってからだろう。
1715年のスペイン財宝船団をめぐっては、いまだ200億円以上のお宝が海底に沈んでいるといわれている。その中で「最大のお宝」といわれているのが、「スペイン王の伝説の秘宝:ロイヤルコイン」である。

ここまで書くと、もうスペイン王家の歴史とか、時代背景などはそっちのけ、ほとんどがバミューダに沈んだあの金貨の入った赤い縁取りのある宝箱を想像するトレジャーハンターな目をしているのではあるまいか?
人間のさがである。(笑)
そこで、そのお宝について紹介し、結びにしたほうが賢明に思えてきた。



フェリペ5世



「世界に50枚しかない伝説の金貨」

スペイン王である、フェリペ5世。TBSテレビ『財宝伝説は本当だった バミューダ海400億円沈没船 パナマの秘宝 歴史的大発見SP』テレビ史上最大級の財宝発掘プロジェクト、その一部始終は、今年の正月特番で紹介された。

ロイヤルコインとは、当時のスペイン王たちのために作られた「世界にわずか50枚ほどしかない」伝説の金貨。1715財宝船団には、そのうちの20枚が、フェリペ5世の結婚を祝う贈答品として積み込まれていた。その価値は、1枚1億円以上ともいわれる。
 ほかの金貨に比べ、大きさや形状は比較にならないほどのクオリティで、トレジャーハンター界の中で、最も価値のあるお宝のひとつと言われている。
 これまで引き上げられたのは、6枚。いまだ14枚のロイヤルコインが海底に眠る。

奇しくも2015年は、1715財宝船団が海底に沈んでちょうど300年目の年。果たして広大な海の底から、わずか数センチの金貨を見つけることは出来るのか。

金貨にばかり目がいって、本来結婚を祝して送られるはずだった当事者は忘れられがちな存在。
「本当はわたしたちのものよ」という王と王妃の声が海底から聞こえた気がして、スペイン継承戦争よいう激動の時代を生きたおふたりについて、記してみた。



美雨


フロリダ沖でみつかったロイヤルコインより
フロリダ沖でみつかったロイヤルコイン
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Comment

鍵コメさま 

こちらこそ、いつも応援ありがとうございます。

今回の潜水探査において、深さ15フィートの海底で見つかったのは、金貨51枚と40フィート分の金の鎖だそうです。これらの宝物は約100万ドルの価値に相当するであろうと期待されていて、その周辺は同時に複数の船が沈んだ地点なので、今後のさらなる発見も夢ではないようですよ!

CNN Tou Tube
https://www.youtube.com/watch?v=UXLEXF9VB4I
CNBC
http://www.cnbc.com/2015/07/28/1m-in-300-year-old-gold-coins-found-off-florida-coast.html
Yahoo
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6169009

知人からニュースを入手したのですが、ニュース画像に映し出された1枚の金貨を見ただけで、鋳造された場所はメキシコ総督府の造幣局と推測できるそうです。案の定、専門家もメキシコ製と断定されたそうですが、スペイン王家の結婚記念に鋳造され、贈られる筈だったコインたちは、結局花嫁の手には届かず、海の底に沈んで500年のときをすごしたのですね。天国のイザベルはどんな気持ちでしょうか。
17世紀に遡る宝さがしとフェリペ5世時代の歴史ロマンというエッセンスが加わって、興味をそそられる話題ですね。^^

  • posted by MIUMIU 美雨 
  • URL 
  • 2016.05/31 18:33分 
  • [Edit]

かえるママさま 

こんばんは^^
季節の変わり目で体調を崩したようで、リコメが遅れてすみません<(_ _)>

> 特に情報社会の昨今、人を判断する際には真実の情報と客観性を持たねばなりません。とても勉強になりました。

あまり個人的には付き合いたくはないけれど、社会的な影響力などの観点からはいないと困る権力者とか、必要悪などってありますよね。暗黙のルールと言うか、秩序を保つ上での縛りみたいな・・・

ひとは、自分に関する利害や好き嫌いなどの感情で他を評価しがちですが(もちろん生きる上で大切なことではありますが)、それプラス時間軸が加わると、まったく違った逆指標になっていたり、歴史的に災い転じて吉となっていることなどがよくあるので、人とはわからないものです。でも、そこまでは待てないのが人間のさがでもありますね。(笑)

死して何百年後に評価が逆転して、偉人扱いされたりる例は枚挙にいとまがありませんね。
悪女とか、某君など、負のイメージがついてる人ほど、見直されると大人気者になったりしますから、不思議です。
この王妃も案外そんな女性かもしれませんね。^^

いつも素敵なコメントをありがとうございます。
  • posted by MIUMIU 美雨 
  • URL 
  • 2016.05/30 18:38分 
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管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます
  • posted by  
  •  
  • 2016.05/29 00:10分 
  • [Edit]

こんばんは 

>人間というものは見る角度により、どのエピソードをすくい取って、その性格を判断するかで全く違ってくる。偏った主観を排除して、より客観的な像に近づかねばならない。


美雨さん、今日も示唆に富んだ素晴らしい記事をありがとうございます。
おっしゃる通りですね。
これは歴史上の人物に限らず、私たちの周りの人を判断する際にも言えることですね。
特に情報社会の昨今、人を判断する際には真実の情報と客観性を持たねばなりません。とても勉強になりました。

こちらの王妃は、すごい女性ですね。
スーパーレディですね。^^
  • posted by かえるママ21 
  • URL 
  • 2016.05/24 22:59分 
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Piyosophyさま 

こんばんは^^
素敵なコメントありがとうございます。
さすが、歴女のPiyosophyさん、コインのように歴史の陰にうずもれていたカルロス王とイサベルのことをご存じとは・・・!
イサベルは、姿絵を見る限り、自我が強く物事をストレートに言う直球型の女性・・・というイメージですね。
若いころの肖像画は、マリアテレジアの娘時代にも似ていて、「女傑」のイメージもうっすらと・・・それだけ王さまのほうが優柔不断というか、尻にひかれるタイプだったのかもですね。
トレジャーハンター、確かにドキドキですね、自分があやかれるわけでもないのに・・・金貨って、見てるだけで心浮きたつ何かがありますね(笑)。



> とても興味深い記事をありがとうございます(^ ^)
> 私も同じマドリッドの王宮行きましたよ〜!イサベルについては、とても聡明で強い女性のイメージがありましたが、美雨さんの記事を見て再びお勉強になりました!
> ロイヤルコイン気になりますね✨トレジャーハンターのロマンを感じます!
  • posted by MIUMIU 美雨 
  • URL 
  • 2016.05/24 00:33分 
  • [Edit]

宮じいさん 

はじめまして^^
拙ブログにご訪問と暖かいメッセージありがとうございます。
5月は薔薇がもっとも美しい季節ですね。
私も大好きです。
宮じいさんのブログも素敵ですね。
こちらこそどうぞよろしくお願い致します。
  • posted by MIUMIU 美雨 
  • URL 
  • 2016.05/24 00:14分 
  • [Edit]

NoTitle 

とても興味深い記事をありがとうございます(^ ^)
私も同じマドリッドの王宮行きましたよ〜!イサベルについては、とても聡明で強い女性のイメージがありましたが、美雨さんの記事を見て再びお勉強になりました!
ロイヤルコイン気になりますね✨トレジャーハンターのロマンを感じます!
  • posted by Piyosophy 
  • URL 
  • 2016.05/23 10:24分 
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初めまして 

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更新はマイペースで続けていきますのでどうぞよろしくお願い致します。

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