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CAのつぶや記 ロダンの肖像 ~パリ・ロダン美術館~

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CAのつぶや記 ロダンの肖像 ~パリ・ロダン美術館~

前に記した『リルケの風景』で、リルケの師であり秘書として仕えたロダンのことで検索数が多かったので、今日はロダンの私生活と、ロダンの作品が収めてあるロダン美術館についての記事をUPしてみようと思います。

ロダン美術館


パリのルーブルやオルセーは美術史上傑作揃いの美術館で素晴らしい。
でも、長時間ハイレベルな感動で大作を鑑賞し続けるのは、精神的に応えるもの。毎日フルコースのディナーばかり食べていたら消化不良に陥ってしまうように、名作の感覚が薄れて、食傷気味になってしまいかねません。
そんな時の憩いの場として、パリには珠玉の小さな美術館があります。日本人がルーブル以外で訪れるといえば、モネの大作「睡蓮」が展示されているオランジェリー美術館ではないかと思います。私が初めてパリに行ったのは学生時代で、その時に見た美術館の中の一つでした。今では、印象派といえばオルセーですが、かつては、小じんまりとしたオランジェリーに名画が集っていた時代でした。


ロダン美術館
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そのもう片方と言えるのが左岸のロダン美術館。最寄の地下鉄駅はヴァレンヌ、ホームには「考える人」のレプリカが鎮座しています。上野美術館も所蔵していますが ロダンが40才頃に制作した有名な彫刻です。
メトロのホームというエキセントリックな場所に展示されて目を惹く、パリ流アートセンスの一端を感じるワンシーン。毎日ラッシュに揉まれながら通勤する人々の間で、流れに逆行してひたすら沈思黙考する姿は強い存在感で迫ってきます。美術館で見たオリジナルよりも、こちらの方が感銘を受けたほどです。
他のメトロ駅としては、ルーブル駅もシックな古代アートの展示効果が見事です。


どの角度から見ても美しいロダン博物館。外観は博物館というよりお城。
どの角度から見ても美しいロダン博物館。外観は博物館というよりお城


ロダンは14才で学業を捨て、22才で修道士を志し、イタリアを旅してミケランジェロの作品に触れたことがきっかけで彫刻家となり、フランス近代彫刻の巨匠となった人物です。
人間の限りなく深い力強さと審美的な美を石に刻み、ある時はリリカルな、またはダイナミックな傑作を生み出しました。「彫刻家は、石の中に閉じ込められた精霊に、生命と形を与える使命をもつ」とミケランジェロは語っています。ロダンはそのポリシーを400年経て受け継いだ芸術家と感じました。

一方で、特別展でもなければ鑑賞する機会はありませんが、エロスの爆発とも云うべき官能的な作品も多く残しています。女性の裸体像の中には、目のやり場に困るほど大胆なポーズをとっているものもあります。実は相当なエロ聖人だったと想像してしまうのですが、これも「生命力とエロスは表裏一体である」という表現なのでしょう。
当時のパリで「切腹パフォーマンス」をして評判になった、日本人の「花子」というモデルを恋人としていた時期もあったようです。


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いずれにせよロダンは人間の情念と肉体美を追求して、近代フランス彫刻を切り開いた巨人、日本にも高村光雲・光太郎父子をはじめ、大正ロマン時代に多大な影響を与えました。
1908年から1917年に亡くなるまでの間、邸宅アトリエで制作に没頭。遺言によって1919年からロダン美術館となっています。
ロダンは自らの没後は美術館として公開する計画でアトリエ邸を構えたそうですから、作家自身によって造られたという意味でも完璧なミュージアムでしょう。気をてらったところは全く無く、美雨好みの古典的なたたずまいも魅力のひとつです。

平日は見学者が少ないので、落ち着いて見ることができて、緑麗わしい庭もくつろげます。展示室にはロダン所有のゴッホの絵も飾られており、特に背景に浮世絵を配した作品は印象的です。
パリのひととき至福の時をどうぞ。

とと、ここを訪れる皆さんは、おそらくパリには、すでに数え切れないほど足を運んでおられるかたもいるでしょう。いつ訪れてもパリは美しく、何度行っても見尽くせない魅力に溢れた街です。
観光名所に振り回されず、これぞ自分だけのパリの風景、みたいなものを心に刻むことが出来れば、最高だと思います。


庭園の彫刻たち
庭園も素晴らしく整っていて綺麗・・・本当にシックな美術館です


展示室の外へ出ると小さな庭園にも作品が並んでいました。
光太郎はロダンの作品を前にして己の仕事の小ささに衝撃を受けたと言われています。
弟子であり、愛人でもあったクローデルのことを考えないではいられません。まるで、最後に発狂したのは智恵子と同じではないか・・・。

芸術家の妻や愛人は、その華々しさの陰で、男のエゴの犠牲になって気の毒な生涯を送った人も多いようです。ピカソもまたその典型でしょうか・・
ロダンに心酔した高村光太郎は、30代から40代にかけて芸術論の翻訳や評伝を出版しています。妻、智恵子が神経衰弱になっていくのも、ひょっとすると、巨匠から受け継いだ夫の芸術魂とも関係しているかもしれません。
また、ニ本松の智恵子の実家である花霞酒造が破産して、一家離散となったことのショックも大きいように思えます。
以前「高村光太郎詩集」や、佐藤春夫著「小説智恵子抄」読んで、戦争前夜の困難な時代を生きて、生涯を添い遂げた二人の純愛物語は、殊に印象に残っています。


ロダン美術館内部
ロダン美術館内部


ロダンと言えば、作詞界の大御所・なかにし礼氏が作詞したロマンチックな作品もあります。
詩人でもあるなかにし先生のソネットのような文章をここに書き記してみます。


「ロダンの肖像」

ナイフのような 別れの悲しみが
私の背中をなでるから
指からこぼれる 白い砂のように
幸せの時が 過ぎて行くから
ロダンの彫刻のように
あなたにいだかれたままで
死んで石になって 愛されていたいの
息を止めて 動かないで
愛はいつでも こわれやすいから

秋の枯れ葉の 最後の一枚が
はかなく散るのを 見たくないから
ロダンの彫刻のように
口づけかわしたままで
死んで石になって 結ばれていたいの
息を止めて 動かないで
愛はいつでも こわれやすいから
愛はいつでも こわれやすいから



代表作のひとつ。『カテドラル』と名づけられた「手」
ロダン美術館 にて



ロダン博物館で、一番好きになった彫刻。
1906年、ロダン66歳の作品。
ロダンの、ものを見つめ、そこに内面の真実を見出そうとする努力は信仰的にさえ見えます。

俗っぽい言い方ですが、やっぱり彫刻は実物を見てこそなんぼだな、と思えます。
絵画も確かに実物が一番迫力がありますが、写真でもなんとなくの雰囲気はつかめる。
でも彫刻は実物を前にして三次元で見てこそ感じるものがあると思うのです。

良く考えると、彫刻+作者で一般的に有名なのって仏教ものを除くとミケランジェロのダビデ像くらいしかないような・・・。
といって、仏教でも知られているのは雲慶か左甚五郎くらいでしょうか。
岡本太郎氏の太陽の塔は彫刻というより建造物としか思えませんし。
絵画と違ってあまり超有名人っていないような気がします。
もちろん私の中ではロダンなのですが。

ベルニーニやミケランジェロには只ただ、圧倒されるだけですが、
ロダンの作品を見ると、必ず「触れたい」と思ってしまう。
ロダンには、手で捏ねて創った物ならではの温もりがあると思いませんか?
それが絵画に近い、という理由の一つなのでしょうね。



美雨


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  • posted by  
  •  
  • 2014.12/15 00:21分 
  • [Edit]

makiraさま 

ロダン美術館も素敵ですが、
駅や空港など、パリは芸術と遊び心のエスプリがぷんぷん香る町ですね(*^^)
フランスは秋や冬も魅力的だと思います。
  • posted by 美雨 
  • URL 
  • 2014.12/15 00:18分 
  • [Edit]

メイサンゴン様 

こんばんは。選挙でしたね!
やっと落ち着いて眠れそうです(笑)

パリ、ツアーでなければ
雨の日や冬は、美術館通い最高ですよね^^

数は少ないけど、オルセー美術館、オランジュリー美術館、いろんなテーマに絞って、よく日本にもきますよね。印象派は圧倒的に日本人に人気ありますし。^^

今年は、「こども展」( 名画にみるこどもと画家の絆)というテーマで森アーツギャラリーでもユニークな展覧会が開催されたのも記憶に新しいです。大阪でも人気を博したようです。
  • posted by 美雨 
  • URL 
  • 2014.12/15 00:08分 
  • [Edit]

NoTitle 

こんばんは^ ^お久しぶりです。
美雨さんはいろんな国を訪問されてるんですね。うらやましい限りです。

パリのルーブル美術館やオルセー美術館 テレビでしか見たことありませんけど 印象派の方の絵が好きなので 一度は実際に訪れてみたい場所です。
そんな有名な美術館しか知らない私ですけど パリにはたくさんの美術館がまだまだあるんですね。

彫刻のことは分かりませんけどロダン美術館の外観も素敵ですね。

明日から寒波がやってくるそうなので体調崩されませんように…
  • posted by ren母 
  • URL 
  • 2014.12/14 23:45分 
  • [Edit]

 

地下鉄で、毎日美術館が良いだよね。
パリは、最近オルセー展がきましたね。
私も三回も通いましたよ。チューリヒ展のダブらせたり、、
しかし美術館は意外と歩くので疲れるよね。
歳を感じるんだよね。今回も思い出しながら見せてもらったよ。



  • posted by ノーベル賞コウホ犬メイサンゴン 
  • URL 
  • 2014.12/14 23:38分 
  • [Edit]

NoTitle 

美雨さん、こんばんは! 
ロダン美術館もステキですが、
その前にフランスに行かなくっちゃ 汗)
応援P☆!
  • posted by makira 
  • URL 
  • 2014.12/11 23:31分 
  • [Edit]

ピオーネ親父さま 

こんばんは^^
森のなかのお城のような瀟洒な美術館、
若いころ不遇を託っていたとは思えない贅沢なたたずまいでした。

”ロダンの影響を受けた芸術家”で思い出したのですが、ぴおーねさんの住む山形の酒田市にある
土門拳美術館(記念館)にも寄与したイサム・ノグチさんもまた時代と空間こそ隔たれていますが
孫弟子のような存在ですね。^^

レプリカもいいけれど、生ける芸術の真髄の伝承みたいなものを、後世の彫刻家のなかに見る愉しみもまた、
ロダンの残した遺産かもしれませんね^^

  • posted by 美雨 
  • URL 
  • 2014.12/08 23:15分 
  • [Edit]

かえるママさま 

こんばんは^^
今日も深くて感性豊かなコメントを、ママさまありがとうございます。
確かに、ロダン以降の具象彫刻は、全てロダンの影響から逃れられないと言われていますよね。
西洋諸国はじめ、日本も間違いありません。
仰る通り、作家ですと、わが国にその流れを持ち込んだ光太郎や荻原守衛でしょうか。
動勢と感情表現の豊かさにおいてその祖には及び得ていないものの、当時、彼らがロダンという”全く新しいもの”を発見したことの驚きと喜びがその作品に今だに息づいているようですね。
ロダンと、それをいち早く日本に伝えた彼らによって日本の彫刻表現は自由を知り前進したと思います。^^

  • posted by 美雨 
  • URL 
  • 2014.12/08 23:14分 
  • [Edit]

NoTitle 

ロダン美術館 素敵な 外観の 美術館。
そして 駅の中に レプリカ!
行って見たいと 思いますね。
実際に見た 美雨さんって 本当に 幸せものですね。
  • posted by ピオーネ親父 
  • URL 
  • 2014.12/08 21:35分 
  • [Edit]

NoTitle 

美しくて涙が出てきました。
きっと実物はどんなにか素晴らしいのでしょうね。
なかにし礼さんの詩も初めて知りました。
芸術は何故存在するのでしょうね。
そしてなぜ人を魅了するのでしょうね。
芸術に触れることは神に触れることに近いのかな・・・
などと感慨深く拝見してました。
高村光太郎のくだりは実際に二本松にいらした美雨さんならではの説得力がありました。
美雨さんにしか書けない素敵な記事です。
  • posted by かえるママ21 
  • URL 
  • 2014.12/08 11:52分 
  • [Edit]

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MIUMIU 美雨

Author:MIUMIU 美雨
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更新はマイペースで続けていきますのでどうぞよろしくお願い致します。

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