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世界の旅日記や 文化、歴史のぷち・エッセイを書いています。他にも海外、国内のお気に入りのドラマのあらすじ&感想を勝手気ままに綴っています。

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ガリラヤ湖  イエスと聖書の風景はいまⅡ

ガリラヤ湖   ~ イエスと聖書の風景はいま2 ~


ガリラヤ湖のイエスとペテロ


イエスが布教して数々の奇跡を行ったゆかりの地を歩いた。

聖書のイメージからは、荒涼とした土地を思い描いていたが、ガリラヤ湖の周辺は緑豊かで、美しい風景が広がっていた。
聖ペテロが漁をした、あまりにも有名なガラリヤ湖。
マグダラのマリアもこの湖の西岸に住み、イエスはこの地で2匹の魚と五つのパンを奇跡を用いて何千人もの子供たちに食べさせたという伝説があった。
そんな聖書の風景が眼前にひらけている旅路は、本当にタイムマシーンに乗った境地である。
うろ覚えであったが、その近辺の洞窟で、いままでの文献よりはるかに古い死海文書が発見されたと言う洞窟があり、当時の最大の関心事となっていた。書かれた内容がいまの聖書と寸分も違わなかったことから、聖書はやはり正しく書き伝えられていたと判明されたという、素晴らしい考古学的発見でもあった。
死海文書が発見されたクムランの遺跡・・・壺に入って、2千年眠っていたという文書・・・ロマンである。


The Sea of Galilee ガリラヤ湖
ガリラヤ湖1



ナザレを出発して、ティベリアでバスを乗り継いで、ガリラヤ湖の北に向かう。順調に行くかに見えたが、降りるタイミングを失って、峠の上まで乗り越してしまった。おかげで途中にあった乗馬倶楽部で優雅な朝食を楽しめたが、1時間半ぐらいの距離を歩いた。(涙)



山上の垂訓教会
山の上の教会


山上の垂訓教会
仏教ならさしずめ、悟りを開いた場所と言えるかもしれない。丘の上からガリラヤ湖全体が望まれる絶景の地。「幸福なるかな、心の貧しきもの」で始まる有名なマタイ伝第5章、「求めよさらば与えられん」「狭き門より入れ」など数々の名訓が生まれ、ここで12人の弟子たちを選んだ場所とされている。天蓋ドームの教会は1930年に建てられた。
峠からしばらく歩いてたどり着いた。昼はシエスタをすることを知らず、時間まぎわに教会に入れた。輝く湖の上を太陽が弧を描きながら大空に登って沈んでいくさまが展開する。その風景を眺めると、なるほどあの聖書の言葉のように大らかな気持ちになることを実感する。
バスは なかなか来ない。
結局山の下の町まで歩き、路肩で待っていた地元の娘さんが声かけしてくれた車に便乗させてもらって、カペナウムで降ろしてもらう。



カペナウム
カペナウム

カペナウム遺跡
入口に咲いていた色とりどりのブーゲンビリアが鮮やかだった。洗礼者ヨハネがヘロデ王に捕われた後、ナザレからこの地に移ってきたイエスが布教活動をした古代の町。ローマ会堂風の建物やシナゴーグ跡が発掘されている。地面にはオリーブを搾油する石臼などがゴロゴロしている。背後を見ると、垂訓の山はすぐ裏山という感じで、イエスたちはよく登っていたのだろう。
遺跡を見終わった頃、急に空が翳ってきて雨が降り出す。アダムとイブからイエスまでの系図のポスターが興味深く、ガイドブックと併せて買った。
なかなかバスが来ないので、小雨降る街道を歩くことにする。途中で湖畔に降りたり、バナナの収穫と積み込み風景を見ながらのんびりと散策した。



聖ペトロ首位権教会。写真は、「メンザ・クリスティ」=「キリストの食卓」と呼ばれる岩。
 聖ペトロ首位権教会には「メンザ・クリスティ」=「キリストの食卓」と呼ばれる岩があります。復活後のイエスがペトロたち弟子に食事を与えたとされる岩です
復活後のイエスがペトロたち弟子に食事を与えたとされる岩

ペテロ首位権の教会
黒っぽい外壁の小さな礼拝堂で、湖畔の岩盤の上に建っている。内部にはメンザ・クリスティという、イエスと弟子たちが食事をしたと伝えられる岩のテーブルがある。
イエスはここで、漁をしていたシモン家の兄弟ベテロとアンデレと出会い、最初の弟子にした。後にペテロが筆頭弟子に指名されたとされる。イエスが水の上を歩いたり、嵐を鎮めたエピソードの舞台もこの湖だが、小石に打ち寄せるさざさみが風雅だった。



church of multiplication
church of multiplication

パンの奇蹟教会
休日で閉まっていたので、門の外から遠目に見るだけだった。もちろんイエスの頃に建っていた教会ではないが、原型は4世紀に遡るとされる。まだキリスト教の象徴は十字架ではなく、魚だった頃だ。
この地が、わずか5個のパンと2匹の魚を割いて、5000人の群集の空腹を満たした場面となった風景か・・それを眺めるだけで充分である。ムリリョが描いた絵画なども思い出す。
周囲にはバナナ畑が広がっている。
ティベリアの湖畔のレストランでは、セント・ピーターズ・フィッシュ(聖ペテロの魚)も食べた。口に銀貨はくわえていなかったが、こんがり香ばしく美味だった。街中でネットカフェを見つけて、家族に消息と、忘れないうちに記録を書きこむ。記憶はあてにならなくても、記録は遥かに当てになるからだ。夕方のバスで再びナザレに戻る。



新約聖書の中でイエス・キリストは水の上を歩いたとされる
新約聖書の中でイエス・キリストが水の上を歩いたとされる



そういえば途中、マグダラ村という地名もあって、ラ・トゥールやエッシャーの絵画を思い出し心惹かれたが、バスの車窓から小さな集落と丘の斜面に広がる最近の入植地が眺められたのみで、特に当時を偲ぶよすがは何もないようだった。

フロントで「明朝チェックアウトされるようですが、どちらに向かうのですか?」と、マネージャー(?笑)クラスのシスターに尋ねられた。「エルサレムに行きます」と答えると、「それなら、路線バスよりも乗り合いタクシーの方がいい。ヨルダン川に沿ったルートを通るので景色もいいし、時間も早い。それにジェリコのそばも通るから」と勧められた。
もう一人の丸顔で温厚な感じのシスターが、わざわざワゴンタクシー乗り場まで連れて行って予約を確認してくれた。アクセントがイタリア風だったので、すぐにお国がわかった。ローマ出身でフランシスコ会所属、5か月間ナザレでボランティア活動をしていたが、クリスマスの後にローマに帰る予定とのこと。ちなみに、ホスピスの尼僧はフランス人が多く、仏語で会話していたのも印象的だった。



マグダラの風景
マグダラの風景



”忙しい旅”であっても、イエスの足跡を辿り、ナザレ、ガリラヤの写真をアップして、あらためて文章も載せることができ、聖書トレイルの小さな夢が叶ったことに感謝している。
この地域の歴史の重さと深さは想像を絶するものがあり、生半可な付け刃の知識では、とても太刀打ちできないものを感じた。
しかしながら、理屈より魂で感じるガリラヤの風景は、心洗われるような清らかさに満ちたものであった。
この地でそのままイエスが生涯を終えていれば、穏やかで幸福な人生が送れたことだろう。しかし、彼の激しい理想に燃えた魂は、エルサレムの受難への道を歩まざるを得なかった。そして、自分を待っている運命をすべてを見通し、使命を果たして息絶えた。この安らぎの地に触れなければ、過酷なゴルゴダの道も、意味を為さないように思える。

風景を思い浮かべながら聖書を読めるというのは、確かに巡礼後のメリットである。
とはいえ、このような時代になったのは、19世紀以降の実証精神に溢れた考古学者たちによる地道な努力と忍耐の賜物だと思う。

私たちはそうした先人に感謝せねばならない。



美雨


ガリラヤ地方、カフェナウム 魚でなく人の心を得なさい、と教えたイエス
ガリラヤ地方、カフェナウム 魚でなく人の心を得なさい、と教えたイエス




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Author:MIUMIU 美雨
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